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2023年2月 6日 (月)

「スカルマン(石ノ森章太郎、島本和彦/メディアファクトリー)」を読む

「スカルマン(石ノ森章太郎、島本和彦/メディアファクトリー)」を読む。 ちなみに、MF文庫版全5冊である。MF文庫版は、冒頭に石ノ森章太郎氏の「スカルマン」オリジナルが収録されています。

石ノ森氏が作ったオリジナル版の続編としての内容と設定を島本氏が漫画化する、という企画で始まっただけあって、石ノ森テイストあふれる内容になっています。
スカルマン自体が、仮面ライダーの元になったデザインとして有名ですが。続編は悪の組織や怪人が出てくる話になっていて、しかも怪人は特撮版仮面ライダーと同じモチーフで放送順に登場するという、「島本和彦以外はやらないだろう」という感じの凝った仕掛けになっています。もちろん、原作オマージュもあれば、他作品からのゲストも有り。蜂女の設定とか、テレビと違って面白くなっています。
リアル仮面ライダー+石ノ森クロスオーバー的な見方をすると面白いです。というか、個人的に島本和彦のシリアスストーリーはコメディより面白いと思っているので、この作品、好きです。


さて、【ネタバレ】有りで行きますと。


オリジナル版はスカルマンが両親の復讐のためにテロを起こしつつ相手に迫る、という内容ですが。ラストで両親こそが悪であり、復讐相手が祖父だったというどんでん返し&全員死亡エンドだったわけですが。
作品内でわずかに見せていた超能力描写によって助かっていたことになり、今度は祖父の側に立って両親の元助手の組織と戦う、という話になっているのですが。

ともかく、スカルマンが何をやりたいのかさっぱりわからない。島本先生としては、正義の味方出ない主人公を描くことが出来ないようで。敵組織と戦っているはずなのに、いかんせん中途半端だし。敵組織側も当初は「組織としては」歯牙にもかけていないという感じで、単発的に怪人がちょっかいを出してきているだけだし。そうやってぐだぐだしているウチに打ち切りにあってしまった、という感じです。
個々のエピソードは面白いのですが。スカルマン=千里竜生のダークヒーロー的な部分が優柔不断に見えて。これは、悩める石ノ森ヒーローと優柔不断な島本ヒーローの悪い意味での融合?そのあたりが読者にいまいち伝わらなくて、もどかしいという感じです。
009っぽい人の登場以降、島本先生は吹っ切れたようですが。
オリジナルのヒロインが思わせぶりだけで終わってしまったのもねぇ。
後半は、蜂女のあたりから戦闘員=眷属が大量に出てきたり、藤岡弘似の刑事さんが改造されたり、加速度的に面白くなっていくのですが。
ストーリーの方向性が出てきたあたりでENDになってしまうのが、漫画版の仮面ライダーと同じで……結局、これ、仮面ライダーなんだけど、ライダーとスカルマンが別にいて、スカルマンは一歩引いた傍観者的になってしまっていたためにストーリーの盛り上がりが遅れてしまっていたような。

ラストで、仮面ライダーから未来忍者編ということで変身忍者嵐にストーリーがバトンタッチする上に、それが石ノ森章太郎アイデアだったというだけでも驚きですが。ラスプーチンの本体は生きているみたいだし、両親も下手すると生きているっぽいし。見開きからすると、キョーダインやらゴレンジャーやらキカイダーやらイナズマンやらロボット刑事やらの石ノ森特撮ヒーロー総登場のクロスオーバーが予定されていたとすると。続きが気になって仕方ないのですが、こればっかりは石ノ森プロがGO出さないと再開出来ないでしょうから無理なんでしょうねぇ。
島本先生、最近社長業が忙しくて同人でも描いてる暇なさそうだし。非常に残念です。

ちなみに、蜂女の眷属の三つ編みの子がかわいかったのですが(笑)。

2023年1月24日 (火)

「仮面ライダー(漫画版)」のこと

「仮面ライダー(石ノ森章太郎/秋田書店)」を読む。
今回は、秋田文庫判を読んでます。1巻が本郷猛編、2巻が一文字隼人編で、確かにそんな感じになりますね。

内容については数多のムック本などで紹介されていたので、読んだような気になっていましたが。やはり、実際に読んでみると全然印象が違いますな。ムック本の弊害と言うべきか。

テレビとの一番の違いは、仮面ライダーがヒーローっぽい華奢な出で立ち……って、そこを指摘しても仕方ないのでともかく(笑)。
メディアでよく採り上げられる、立花藤兵衛の立ち位置ですか。テレビはレーシングチームのオーナーで喫茶店のマスターという一般人なのに、怪人の特訓まで引き受ける謎の人ですが。原作は、本郷家の執事で、仮面ライダーというか、本郷の身体のサポートのためにラボを作ってスタッフを集めてます。まぁ、そこまでやっても世界征服を企む秘密結社相手には厳しいと思われますが、究極の目的は本郷を元に戻すことなので、リアリティはあるかと。

あと、ムックなどでは最終話が「仮面の世界」であることから、この話のラスボスであるピグマシーンをショッカーの首領のように感じられる描き方だった気がしますが。実際には、単なる巨大プロジェクトのまとめ役であり、「仮面の世界」自体が完結編というよりひと区切りという描き方しかされていないため、「あれ?」という感じでした。

そんなことより。この漫画版を読んで一番思ったのは。特に初期の話に顕著ですが。ライダーのアクションシーンの印象が強いことですか。ある意味、実写のバンク撮影シーンに似ているのですが。ベタ一色のバックにストロボ撮影したようなコマ送りでの宙返り刀のアクションシーンは、正にテレビを見ているようで、凄い表現力だなーと唸りました。
最近は、描き込みによる表現でリアルさを出すようなものが「良い作画」と思われるのですが。逆に、テレビそのものを見ているような表現を漫画で見事に再現しているという意味で。素晴らしいと思いました。これ、今から50年も前の作品なんだよなー。

よく、手塚治虫の作品が映画的な見せ方の手法を開発したと言われますが。その手塚先生が嫉妬したと言われる石ノ森章太郎の表現力というのは現在の目で見ても斬新かつ素晴らしいとしたら。それは、後進への影響力も半端ないし、何より恐ろしいと思いましたわ。

そういった部分を抜いても、この漫画版仮面ライダーはストーリーもおもしろいし。色々な点でその後のヒーローもののお約束を作った一本として読むべき作品かと思いました。

ちなみに私、昔から、フニャコフニャ夫先生の「あやうし! ライオン仮面」のネタは「仮面ライダー」の「13人の仮面ライダー」における本郷ライダーピンチの引きが元ネタだと思ってます。

2023年1月16日 (月)

石ノ森章太郎に思う

昨年末は石ノ森章太郎フィーバーが来ていて、アニメ・特撮のムック本から原作まで、いろいろ読みまくっておりましたので。その話でも。

今までは、石森漫画というと、サイボーグ009しか読んでおりませんでしたが。
初期~80年代くらいまでの長編をいろいろ読んでみると、手塚治虫系のストーリーメインの作家だなぁ、というのが一番の感想です。キャラクターへの思い入れという面では、このあとの世代になるのかなぁ、と(ファンの側からすると、キャラクター萌の始まりという気がしますが。どっちかというと女性ファンの面で)。

それと共に、特殊なコマ割とか叙情的な“間”を持たせた表現ということでは現代の作家さんと比較しても、すごく高度なことをされているなぁ、と。
よく、「JUN」が採り上げられますが。あの作品は、全編にわたって特殊なわけで。他の作品でも。特に、「仮面ライダー」の戦闘シーンとかはかなり凝った表現かと思います。ただ、この歳になってわかる、といったように感じますが。

あと、全般的な話で思ったのは。

・手っ取り早く強くなるには、サイボーグなどの改造人間。
・でも、人間としての進化はミュータント(超能力者)。
・現行で特殊能力持ちは、先祖が宇宙人か、宇宙人に手を加えられたもの。
で。
・父親は高確率で敵。
・姉は正義。
・ラストはUFOが出てきて、なんとか。

東映特撮に関わるようになってからは、メディアミックス契約で放送が終わると連載も終了ということで、突然最終回の作品が多く、徐々に盛り上がっていく感じの作品が少ないのはあれですが。「地底帝国ヨミ編」が、なぜ名作かと言えば、明確に最終回としての長編作品だからかと。
そういう意味では、009の最終編での新しい力が「精神的な力=超能力」というのは、いかにも石森漫画らしいと思いますが。例の「GOD of WAR」のその後の展開が、石森ミュータントヒーローの展開になっていないと感じるのは、やはり御大自らが展開に応じて足すべき部分が足されていないのだろうなぁ、と感じましたわ。

ということで、各論は次から。

2023年1月 9日 (月)

ヤマハチップのアンプボードの話=昨年の続き

遅くなりましたが、今年初更新です。
昨年の宿題で、手作りアンプ編の続きをやっちゃいましょう。
実は、昨年2月に書いた文章が、上げドキを失ってそのままあったのですが。

続き。
電子工作をするにあたって、地元で手に入らないものは通販に頼るのだが。
たまに、検索をしていて、Amazonなどのパーツ屋でない所が引っかかったりする。中華なお店の出品物が引っかかっているのである。
この中で、ヤマハのオーディオ用チップ「YDA138」を使ったアンプボードの出品が目に留まった。中華だけでなく、日本製も含めて安価なボードがいろいろ出ている。チップやパーツの値段を考えれば、自作が馬鹿馬鹿しくなるレベルである=作る楽しみ:Priceless。

個人的に、親父のオーディオがヤマハ中心の構成で子供の頃から聞き慣れていただけに、ヤマハの音源チップには興味があった。もちろん、ディスクリートで組んだ昔のアンプとワンチップのボードが同じ音であるはずはないのだが。設計開発をやっているとわかるのだが、その会社が持っている開発ノウハウというものはなかなか変わることがなく、同じ手法、思想で作っていると、必ずその会社の味というものが出てしまうのである(もちろん、例外もあるし、時代による変化もある)。

ということで、AIYIMAという台湾のメーカー?のボードを買ってみた。
20230108_amp_y_01
100×80mmのケースに穴を開けると、前後の端子類をそのまま使えるようにピッタリ収まるのであるが。スピーカー端子がネジ止めだと、着脱にドライバーが必要でめんどくさい。かといって、このでかい端子のハンダを外すのもめんどくさい。

ということで、今回はタカチの150×80mmのケースを使い、後部はケーブルで別の端子に接続するという、馬鹿馬鹿しい(金、音質)けど、ボードを簡単に差し替えられる構造にしてみた。
入出力を他の手元の小型アンプと同じ端子にできるメリットもあるし、スイッチも付けた。ちなみに、前面に電源スイッチが付いているが、Amazonのレビューで解析した人によると、チップのミュート機能を使っているだけで、電気は流れているらしいので。……普通に電源にスイッチか増せばいいのに、と思ったけど、スイッチが安物でも火を吹く恐れがないという設計思想なのか?

前面のボリュームとかはそのまま使っていますが。ローレットタイプのボリュームは、メッキの安いプラ製つまみが使えてラッキーです。

20230108_amp_y_02 20230108_amp_y_03 ということで、生のボードなら届いてすぐに音出し出来ますし、ケースを作っても半日で完成です。
音は、やはりヤマハ風の中音が厚い感じで、高音も低音も強調されないという歌謡曲とかに向いている音がします(ちなみに、自分が過去に使っていたシステムで割と気に入っていたのがパイオニアのものですが、こちらは高音が特に綺麗で繊細でしたが、そっちに偏っていたような印象があります)。

ということで、アンプを比較したりすることも出来るようになりました。

で、次のパーツも2台分くらい準備済みなのですが……このアンプに満足しているのと、疲れたので、手を付けるのはもう少し先になりそうです。

2022年12月17日 (土)

聖悠紀先生が……

半年以上、休んでいましたが。まぁ、体調不良と仕事が忙しくて、半分は寝落ち。半分はサボりです。

そんなことより。
聖悠紀先生がご逝去されたとのこと。誠にもって残念な話です。

私が超人ロックを知ったのは「魔女の世紀」の映画化の時ですから、今から38年以上も前ですか。単行本を持っている友人に読ませて貰ったのと、当時のアニメディアに載った銀河年表で、そのスケールの大きさに圧倒され。続きは大学生の時に先輩の部屋で読み。自分は、ビブロス版の文庫で集めました。
その後、SGの旧作も集めたり、少年画報社とメディアファクトリーの新作を追っていましたが。コミックスとしては、カオスブリンガーが最後ということに。連載の残りが出るかなー?

他作品では、「TWD EXPRESS」なんかも好きでした。

近年はパーキンソン病を煩ったということで、連載が中断されていましたが。頭さえしっかりしていれば、作画は他の人に任せてでも、続けられるのでは無いかと思っていました。が、それもかなわぬことに。

正直、超人ロックは「最終回がなくても納得できる」というか、むしろ、最終回がない方が作品に合っているのでは無いかとも思いますが。近年のラフノールのエピソードが途中になってしまったことだけは、心残りです。やっぱり、もう少し読みたかった。

心より、ご冥福をお祈りします。

2022年5月25日 (水)

ログイン

仕事が厄介でしばらく死んでいたら、ココログのページからログインフォームが消えていた。

……。

この「お知らせ」にあったわ。

https://info.cocolog-nifty.com/info/2022/05/post-d1b449.html

不具合修正で、お知らせを見せなくなったついでに、ログインメニューまで削られたようだ。

これだけの改変をお知らせで済ませてしまうのはいかがなものか。

 

2022年3月16日 (水)

征海美亜先生を偲ぶ

いろいろ忙しくて、間が空いてしまったと言い訳。
その間にタイガープレコとセネガルス2匹がお亡くなりになって、お世話が足らなかっただろうことを……。

それより何より。母が新聞を見ながら、亡くなった漫画家さんの読み方が分からないなどと言っているので、ひょいっと見た所。征海美亜先生でびっくりというか、唖然としてしまいましたが、とりあえず会社に行きましたが。東京ミュウミュウ再アニメ化とか、新装版発売開始とかで盛り上がっている最中の訃報に、言葉が出ないというのは本当です。

代表作が「東京ミュウミュウ」と「スーパードールリカちゃん」ということになってしまうと企画ものの作家さんというイメージになってしまいますが。オリジナルも暖かめの話ばかりでよろしいのですよ。
何より、スーパードールリカちゃんの頃から、キャラクターの表情、特に笑顔に独特の色気があって、私、ずっとファンでした。
先日(といっても数ヶ月前になりますが)、えらい久しぶりに単行本が発売されて、これから、東京ミュウミュウ関係で新規イラストとか見られる、と思っていた所でしたから。
本当に残念です。
コレしか言うことは出来ませんが。
心より、ご冥福をお祈りします。

2022年2月 1日 (火)

「これならできる特選スピーカーユニット 2020年版 マークオーディオ編」その2

続き。
「これならできる特選スピーカーユニット 2020年版 マークオーディオ編」の工作です。 要するに9mmMDFボードで、背面に上がって下がるバックロードを付けて前に出す形のラビリンス型キャビネットということで。
まぁ、写真を見て貰えばわかるかと思います。

20220201_sp1
特に変えたのは。
まず、吸音材。キットには吸音材という名のペラペラのスポンジが付いていますが。スポンジって加水分解するのとしないのとあって。材質が分からない奴は信用しないことにしているので。適当なフェルトでも貼り付けようかと思いましたが、ちょっと奮発して「東京防音 吸音・防音材 ホワイトキューオン ESW-10-303 300mm×300mm×厚10mm」というのを買ってみました。付属のスポンジに比べて厚いので、半分の厚さにして貼り付けました。まだ大量に余っているので、当分はこれです。

あと、ラビリンス型は側板を接着するメンテが不可能で、線を付け替えるだけでも一苦労……まぁ、そんなにいじる気も無いですが、そういう所をいじっておくのが、自作派の意地なのか。
側板とスピーカーユニットはM4の鬼目ビスを埋め込んで、ネジで固定し、いつでもばらせるようにしました。鬼目ビスは初めて使いましたが、面白いですね。
バックロードは見える所だけ色を塗っています。というか、最初手抜きして塗らなかったら、やっぱり変だったので。コレ、側板が取り外し出来なかったら、アウトでした。
ちなみに色はセリアで買ってきた水性ニスのマホガニー。一方向にムラムラに塗ることで木目っぽい仕上がりになります。

20220201_sp2
あと、スピーカーガードは見ての通り汎用のファンガードです。ちょうどいいサイズは取り付け穴の位置がスピーカー用としては外側になりすぎるので。悩んだ末に曲げたら、いい感じに付きました(写真左が元、右が曲げたもの)。IPSのソフトタッチシリーズのペンチを使えば、傷つけることなく簡単に曲げられます(ペンチとかウォーターポンププライヤーとか持ってますが便利ですわ)。
布製のサランネットって好きじゃないので、ユニットが見えてなおかつ、その辺に置いておいても壊す心配が無いのは良いかと。
ちなみに、ここも木ネジではなく鬼目ビスにしているので取り外し自在。

20220201_sp3
ということで完成。
MDFボードとは思えぬなんちゃって木目調。やたらいかついスピーカーガードと趣味丸出しです。
20220201_sp4
うしろは、まぁ、普通に。アンプとセットにするように、とりあえずごく短いスピーカーケーブルで繋ぐようにしてます。ケーブルはハードオフのジャンクコンテナを漁って、よさげなヤツを選んでます(笑)。バナナジャック、ようやくうまく半田付け出来るようになりました。

で、肝心の音ですが。小音量でしか聴かないので、其れ前提で。小さいのに良い感じに歯切れの良いスタンダードな音が出ます。
中域が厚くて、しっかりしているので、派手さはないですが、安心して聞ける音です。そう、聞いた時の「ガッカリ感」がないというのは非常に良いことなのです(メーカー製でも小音量ではガッカリなものが意外と多いし)。コストパフォーマンスは良いですね。

2022年1月31日 (月)

「これならできる特選スピーカーユニット 2020年版 マークオーディオ編」その1

続き。
良いスピーカーといっても、超小型ユニットとなると市販のものでは選択肢がない。小さくなるほどメーカーの「こんなもんでいいっしょ」という思惑が見えるのである。ヤマハのNS-10Mよりも小さくないと部屋に置く気にはならないし、そのサイズというとフォステックスあたりのユニットで組むしか無いかなーと思っていたら。

「stereo」誌の「これならできる」シリーズが引っかかった。ムックの付録というカタチで超小型スピーカーを販売している奴である。入手簡単で好みに合いそうなもの……ということでバックナンバーになるがまだ流通在庫のある「これならできる特選スピーカーユニット 2020年版 マークオーディオ編」を入手してみた。「マークオーディオOM-MF4」という6cmユニットで、正直試聴したことのないスピーカーメーカーであるが超小型スピーカーの割に評判が良かったので選んでみた。
ガワは自作しようかとも思ったけど、専用の「これならできるスピーカー工作 2020」が思ったよりも小さかったので買ってしまった。
両方で約12,000円。前回の600円スピーカーとは雲泥の違いであるが(コスパで言うと前回以上のものは作れないんじゃないか……)。新品ペア12,000円のスピーカーならオーディオ界では安物であるので、キットとはいえ、これで良く鳴ればコストパフォーマンスは高い。

実際のところ、バックホーン型は設置に反射を計算に入れないといけないので大嫌いなのであるがラビリンス型の前方ホーンなら場所を選ばないので問題ない。
できれば、容積を奥行き側で取る形(私の今使っているスピーカーの設計思想。鰻の寝床型)が場所を取らないので良いのだが、解説書を読んでいて設計が面倒になったので、ここは市販のキットで楽をしようと。

ということで、通販で購入と。これが実際には昨年の12月頃の話なんだが。
ということで続く。

2022年1月18日 (火)

セリアの1個100円スピーカーをなんとか

続き。
次に作ったのが、アンプを使えるスピーカー(段々、目的と手段が入れ替わりつつある)。前回作ったのはアンプとスピーカーが直結で入出力もなかったし、コンパクトにまとめるのが趣旨だったのでセパレートに作り直すのもおかしい。

ということで、前回買った物の使わなかった「セリアのパッシブスピーカー」で新たに普通のスピーカーを作ろうと。
セリアのスピーカーは4Ωで、このサイズのスピーカーとしては思いっきり鳴らしにくそうです。

ということで、今回は単なるスピーカーなので前回と同じセリアで買った飾り棚に穴を開けて配線しただけ。前回の失敗から、今回は下と裏板をMDFボードを切って作りました。どうせ加工するならこっちの方が早いし、色を塗っても反りにくいです(木のように繊維方向がない、木くずを固めたものだから)。
スピーカーには取り付け穴とかないので、ホットボンドで固めています。
あとは、適当に吸音材を入れるだけ。

20220117_sp1
後ろのスピーカー端子は買ってきたら取り付け方法がないという謎のものだったもの。本当はスピーカー内部に埋め込むように配置出来たらと思ったけど、レバーの関係で埋め込むと使えない。ということで、真ん中の孔を貫通させて、木ネジで止めています。なら初めからネジ止め式の物を買えば良かった。
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ということで、完成。前回と違ってスピーカーユニット以外何も付けていないのでなにもありません。
ちなみに、MDFボードを使っても、水性ニスをムラムラに塗ると木目のようになります。プラモデルで言う所の「木目を書く」というものです。
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さて、肝心の音ですが。
最初に聞いた時には捨てようかと思いました(笑)。
紙コーンスピーカーの安っぽい音そのもので、低音どころか高音も出てねー。と。
しかし、エージングしてやったら、なかなか良い音になってきました。これなら1個100円のスピーカーとは思わないでしょう。今回、線材や塗料、ネジ代を抜けばパーツ代は税込み630円(スピーカー110円*2、飾り台110、MDFボード110、スピーカーターミナル95*2)でしたから。コスパは大変良いです。
小音量で鳴らすので音の厚みとか低音の迫力とかとは無縁ですし、金属製のツイーターの出すようなキンキンした高音も出ませんが。紙コーンのちょっとマイルドな古くさい感じの音でジャズとか聞くと、なかなか良い感じです。

今、東京アクティブNEETsさんの東方爆音ジャズを聞きながら書いてます。

とはいえ、これは趣味としては面白いけど、リファレンスにするには酷いし、この部屋のもうひとつのスピーカーも適当に自作したものだから、ひとつ「基準になるスピーカー」を……作ってみよう!
ということで続くのじゃ。

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