ホームページ

  • 虚弱庵
無料ブログはココログ

twitter

  • twitter

« 現在ダンボール一箱 | トップページ | 本当に戦車が売れている »

2013年2月13日 (水)

「ガールズ&パンツァー」 BD&DVD 1巻 スタッフコメンタリーに物申す

ガールズ&パンツァーを見直すにあたって、せっかくなので未開封だったBDを見ることにする(笑)。
おまけのOVAや秋山殿による解説が実によろしい。

が、スタッフコメンタリー。……チャーチルなめてるだろ!
いや、鈴木氏の知識は私なんか及ぶところではありませんし、わかって言っているのはわかるのです。しかし、あの内容だとチャーチルがシャーマンに比べて劣った戦車だという印象を与えかねない。実際には、使用目的の違う戦車であり、間違っても「シャーマンがあるからチャーチルいらね」などということはないのである。英国歩兵戦車好きの私としては納得いかないところがあるのです。

そもそも、当時の英国では「基本的に」巡航戦車は装甲旅団に配備され、歩兵戦車は英国戦車軍団配下の戦車旅団に配備されていたわけで、対戦車任務と歩兵支援任務は切り離されていたわけです。ゆえに、歩兵戦車であるチャーチルが英国では巡航洗車として扱われていたシャーマンに置き換えられることはないわけです。
シャーマンやグラントは北アフリカ戦当時はクルセイダーの機械的故障の多さ(渡航時にオイルを抜いて積み込んだために焼き付きを起こした例が多かったらしい。機械的問題と共に後期には見直されたらしい)と6ポンド砲の榴弾開発の遅れから困っていた英軍機甲師団にとって救世主でした。1944年の後半には、シャーマンはクロムウェルを装備する第7機甲師団、第22装甲師団以外のところで使われていましたが、徐々に英国巡航戦車に置き換わっていきます。
また、ファイアフライに改造されたシャーマンの75mm砲はチャーチルに搭載されて再利用されています。こういうところでも、補完関係はあるのです。
ちなみに、ファイアフライがシャーマンの車体を使っているのは、巨大な17ポンド砲を乗せられるターレットの大きい戦車が英国になかったためで、別にシャーマンがとりたてて優秀だったからではないのです。ブラックプリンスの開発に失敗した英国としては、コメットが開発されるまで車体に恵まれなかったというのが一番の困ったところですが。あの背が高くて標的にしやすく、よく燃えるシャーマンを持ち上げすぎるのはシャーマニアの幻想がかかってます。

さて、最初に断っておきますがチャーチルの設計が当時の戦車のトレンドから大きく外れていることは確かである。塹壕を乗り越えるための長い車体。初期設計段階では砲塔の代わりにスポンソンがあったというのだから、正に菱形戦車である。また、前方に張り出したキャタピラのためにドライバーの前方視界はひどいものだったらしいし、大きく車体を覆うキャタピラ配置のせいで騒音も大きかったらしい。

しかし、チャーチルは歩兵随伴戦車としての陣地攻めには妙な活躍エピソードが多く。ドイツ軍が「戦車はこんな山登れないだろ」という陣地を登ってくるわ、「森の中だから戦車こないだろ」というところを進軍してくるわ。その登坂力、踏破性能は並大抵のレベルではなかったようです。
また、長い車体と広い後部デッキのために、負傷者を乗せて運んだりすることもあり。また、内部空間に余裕があったので、生活物資を積載して行軍する必要がある戦車乗りには好評だったらしいです。
つまるところ、歩兵戦車は現代に生き残ってはいませんが、歩兵のお供としてはAPCに連なる流れにいるのではないかと私は思っています。また、そもそも中東戦争に於いて確立された「随伴歩兵いらね」という戦車中心思想は同じ中東戦争で大変なことになって「歩兵いないと無理だわ」に変わったことからも、戦車と歩兵というものは切っても切れない関係です。
ソ連のタンクデサントとは思想が違うよ(笑)。

また、ディエップでの初戦で全滅していますが。上陸作戦に陣地戦闘能力のなかった当時のチャーチルを参加させても弾除けくらいにしかならないのはわかりきったもので、単純に作戦ミスです。しかし、ドイツ戦車を大きく超える装甲厚を持つチャーチルの任務のひとつは歩兵の弾除けなので、それはそれで理にかなっているのかも。どちらにしろ、当時AVREがあれば、スピゴット砲(ペタード砲)で活躍出来たかも…とは思いますが。

というわけで、シャーマン沢山もらっても、チャーチルは必要なのです。6ポンド砲は当時としてはドイツ軍の大抵の戦車を抜ける優秀な対戦車砲でした(榴弾の開発が遅れたのは最低ですが)。もっと評価されるべきであり、もう少し言うと、そもそもダンケルクで大量の武器を置いてきたために6ポンド砲の量産が(以下長いので略)。

あと、ドイツというと88mmばかりが採り上げられますが、あんな馬鹿でかくて大変な砲よりもパンターに用いられた75mm対戦車砲の方が低シルエット、運ぶのも簡単でよろしいと思うのに、世間では全く認知されていないというのも不満。英国も野砲ながら対戦車戦に使える25ポンド砲やタンクキラー17ポンド砲など素敵な兵器が沢山あるのだから、そういった点もアピールして……戦車の話から逸れたな。

ちなみに、チャーチルが凄い速さで走るのは男の子の夢、というのは納得いく解答でした(笑)。

« 現在ダンボール一箱 | トップページ | 本当に戦車が売れている »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

ミリタリー」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/586276/56754814

この記事へのトラックバック一覧です: 「ガールズ&パンツァー」 BD&DVD 1巻 スタッフコメンタリーに物申す:

« 現在ダンボール一箱 | トップページ | 本当に戦車が売れている »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近のトラックバック