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2013年8月12日 (月)

「スカイラインを越えて(片岡英明/PHP研究所)」

夏休みの出動場所が葬儀場というミラクル。
例年は扇風機があればなんとかなるのだが、今年は夜になっても温度が下がらない。というか、イモリがかなりヤバイ。幼生の水槽の水温がとうとう30℃を超えてしまい、氷を入れても温度が下がらない。そのせいか、また1匹シラス干しのようになってお亡くなりになっていた。今日の昼に見たときには大丈夫だったのに。

「スカイラインを越えて(片岡英明/PHP研究所)」を読む。
スカイラインの前半、7代目までの開発に深く関わった櫻井眞一郎氏の伝記です。スカイラインの開発談が半分くらい、オーテック以降の特装車などに関する関わりについて書かれているところが半分くらい、という分量でしょうか。
さて。R30スカイラインあたりから日産の機関誌などにも精力的に出ていたおかげでスカイライン=櫻井眞一郎というくらいに名前が定着しており、これは車の技術者としては他に見られないものであります。大体、車メーカーの人間で一般の人に名前が知られているのは社長くらいなもので、他にはZカーの営業畑であった片山氏くらいなものかと。
ただ、スカイラインに関しては、立川飛行機+中島飛行機→たま自動車+富士精密→プリンス→日産・荻窪という流れがはっきりしていて、長く続いている一車種としては開発系統が整理されているため、他の車種に比べて情報が出ているということもありますが。何より、中島飛行機で栄のパワーアップから誉の設計までをした中川良一氏→田中次郎氏→櫻井眞一郎氏→伊藤修令氏と受け継がれてゆく技術の流れがはっきりしているのが、第三者視点から見ていても面白いわけです。
ということで、肝心の櫻井氏ですが。技術に関して非常に貪欲で、また、感覚的なセンスを持っている、非常に凄い人であることが良くわかります。非凡な人、という奴ですな。こういう人が上司にいると、非常に大変なのですが。その上、技術に関しては非常に厳しいということで、部下の人たちも苦労したのではないか……と思うのですが、実際には櫻井氏の門下生達が氏の元で修行を積んだ後に再びスカイラインの開発やオーテックの設立に対して力を発揮しているあたりの人望の高さが、この本からも伺えます。
何より、スカイラインをモータースポーツ用の車ではなく、普通の車だけれどアクセルを踏み込むとスゴイ、という「羊の皮を被った狼」であること(つまり、純然たるスポーツカーではなく、あくまでツーリングカーであるということ)にこだわっていたあたりも、好感が持てます。
他にも、プリンスの技術継承の中心的なものかもしれませんが、常に「安全」にこだわっているあたりも交感が持てます。このあたりは、航空機の技術者であった中川氏の考えもあったようですが。「私の自慢は、私の設計したレーシングカーに乗ったドライバーが、誰一人として亡くなっていないことなんです」という言葉は、技術者として非常に重く受け止めるべきだと思います。特に、トヨタがトヨタ7の開発で二人も死なせている(袋井の事故に関しては無理な開発に関するかなり黒い噂もありますが、当時トヨタもヤマハも警察に非協力的だったため真相は薮の中)のを鑑みると、会社としての在り方の差が大きいと感じるものです。
閑話休題。
技術者視点で見ると、櫻井氏の凄さよりも厳しさが感じられて、どうしても「この人の下で働いたら大変そうだよなぁ」という感想を持ってしまうのですが。それと同時に、こういう人たちとチームを組んで仕事が出来たら面白いだろうなぁ、というこだわりも感じられます。
「技術者の生き様」という観点で見ていくと、非常に面白い本ではないかと思います。

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