ホームページ

  • 虚弱庵
無料ブログはココログ

twitter

  • twitter

« 「とある科学の超電磁砲(冬川基/アスキー・メディアワークス)」9巻 | トップページ | 漫画版「とある魔術の禁書目録(近木野中哉/スクウェア・エニックス)」12巻 »

2013年9月 2日 (月)

「プリンス自動車の光芒(桂木洋二/グランプリ出版)」

水槽の下にゴキブリが出たのでキンチョールでお陀仏させて捨ててきたら。直後に自分の部屋にも出現。こいつは潰して退治。しかし、一度に2匹も対応するのははじめてだわさ。

「プリンス自動車の光芒(桂木洋二/グランプリ出版)」を読む。
戦後、立川飛行機の元スタッフが自動車会社を起こして、中島飛行機の荻窪・浜松工場のスタッフが合流してプリンス自動車が出来ていく。そんな流れを丹念に描いた一冊です。
プリンスについて書かれた本はほとんどが「スカイライン」の本なので、そちらばかりがクローズアップされる傾向がありますが。こちらは「その前」に多くのページが割かれています。
また、単なるサクセスストーリーではなく、内部での不協和音、立川系、中島系、そして出資者である石橋(ブリジストン)系、銀行の住友系とそれぞれの思惑の違いがあって、必ずしも一枚岩と言えなかったことも描かれています。特に、戦前の人である石橋と若手中心だった飛行機関連の技術者との意見の食い違いが、結果としてプリンスを日産に売り渡すことになったと。そのあたりの経緯が丹念に書かれています。
また、首脳部人事の動きが主なため、現場であった櫻井眞一郎などの証言とつき合わせることによって全体が見えてくるところもあります。
また、コラムとしてトヨタや日産など他社の動向をいちいち挟んできているため、日本の自動車氏の中での位置づけを確認しながら読むことが出来、非常に分かりやすいです。
現在の目で見ると、プリンスは富士重工といっしょになっていれば……と思いますが、最初の富士精密とたま自動車の合併の時点での問題や、石橋が売りに出そうとしたときに富士重工がおそらく小さすぎて目に入っていなかったであろう事など、思うところは多そうです。
そして、日産はと言えば、川又社長という妖怪級のボスが仕切っていてプリンスが呑み込まれるのは当然だったような記がしますが、その辺は別の話で。まー、効率最優先で製品技術より製造技術に重点を置くトヨタに売られなかっただけマシでしょうか(<それで人材流出して別の会社に……となれば面白かったでしょうが)。
まぁ、こんな風に他人の人生を無責任に論評するのもどうかと思いますが。その後の「技術の日産」を支えたのがプリンス出身の技術者だったとすれば(そして、その遺恨が別の話に繋がっていくのでしょうが)、実に面白い歴史的事実として読者の目には写るわけです。
判官贔屓という目もあるのでしょうが、プリンス自動車とその作品について考えるときに非常に役に立つ一冊かと思います。

« 「とある科学の超電磁砲(冬川基/アスキー・メディアワークス)」9巻 | トップページ | 漫画版「とある魔術の禁書目録(近木野中哉/スクウェア・エニックス)」12巻 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

自動車」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/586276/58110976

この記事へのトラックバック一覧です: 「プリンス自動車の光芒(桂木洋二/グランプリ出版)」:

« 「とある科学の超電磁砲(冬川基/アスキー・メディアワークス)」9巻 | トップページ | 漫画版「とある魔術の禁書目録(近木野中哉/スクウェア・エニックス)」12巻 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31