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2013年11月12日 (火)

ナンバープレートとステンレスのボルトと腐食

さて、今日は少し真面目な話をしようか。ただ、真面目だからといって、中味が真実かどうかは、読んだ人間の判断に任せるがね。

前のマーチに乗っていて、一番思ったのは「ナンバープレートをとめているボルトが真っ赤に錆びてどうしようもない」ってことでした。亜鉛メッキのボルトなんて、経年変化で錆びて当然。
ということで、ステンレスのボルトに交換しておこうと思ったのだが。ネットで見ていると「電食するからやめたほうがいい」という意見をよく目にするわけで。

専門的に言うと「電位差腐食」のことを言っているらしい。私はあまり聞かないが「異種金属接触腐食」という言い方もある。簡単に言うと、イオン化傾向の違う金属同志をくっつけておくと、イオン化が促進されて腐食を起こすというものである。
当然、鉄とステンレスを接触させると、鉄側が腐食するという話になる。ここまでは教科書の話。

では、実際の所どうだろうか。ちゃんと測定すれば結論が出せるが、自然環境で電位差を測定出来るレベルのものではないから難しい。
それよりも。ネジが最も大きい面積で接触するフランジ面はナンバープレートの面であり、塗装されているのでここは全く問題ない(塗装による絶縁)。その他の接触面は「穴」であるが、ナンバープレートでは厚さ分のみ。次のバンパーはおそらく現行のほとんどの車は樹脂製で完全に絶縁で、その後側にナットか雌ねじ穴の空いた取り付け用プレート……と思っていましたが。最近のものはバンパーに埋め込みナットという作業しやすいもののよう。これですと、接触面はナットの長さということになりますから、数ミリあると思われます。
問題は、その数ミリの接触で電位差腐食が起こるかどうかということですが。ASTM G48の腐食試験のように塩化第二鉄溶液に浸して電流を流すような「孔食電位」の試験をやるならともかく。一般的な状況では、環境にもよりますが、数年で目に見える腐食が起るということはないのではないかと思います(<個人的な妄想なので、腐食しても責任は持ちませんが)。ナット部分が樹脂バンパーに埋め込まれているとアース部分がないから「回路」としての働きが弱い、というのもあります。建築物などで問題になるのは、一方が地面に接触しているため、アースに向かって電流が流れるという問題がありますが、この場合はそれに該当しないということです。

では「ステンレスなのに錆びた」という報告は?
これは、もっと起こりやすい話として。「もらい錆」か「すき間腐食」と考えます。
「もらい錆」はステンレスの不導体被膜が接触する「錆(酸化物)」によって破られる現象で、ステンレスの錆の中で最も発生しやすい現象です。鉄などの錆びる物質に貼り付いていると、いとも簡単にステンレスは錆びます。ですから、鉄粉などの多い地域では、それがステンレス製のボルトの上などに堆積すると、簡単に錆が発生する可能性があります。
「すき間腐食」はすき間に貯まった液体によって起こる腐食で、電解質(海水とか)だとすごい勢いで錆びます。原理的には「電位差腐食」と同じく、イオン化とかが主な原因ですが(他にも、溶存酸素とかハロゲンとか色々)、交換したボルトが緩んだところに雨水なんかが貯まると短期間に錆を発生する可能性が高いです。
あとは、嫌な話ですが、ステンレス自体の品質が悪い場合ですか。クロムを約10%以上含んでいる鉄基合金ならステンレスになりますから、一般的に知られている「ステンレス=SUS304」より腐食しやすいステンレスもあります。通常は「ソレにあった用途向け」なのですが、加工性のみを優先したものや、合金率の低い粗悪品も中にはあるようですので……。

ということで、ステンレスのボルトに変えると「錆びにくくなる」と思いますが、「錆びる可能性はある」と思います。ただ、電位差腐食のような「設計的な問題による腐食」ではなく、もらい錆のような「環境依存の腐食」の方が起こりやすいのではないかと(電位差腐食も起こらない、というわけではないと思いますが)。

あとは、確かに外れなくなったときにステンレスのビスを「さらう」のは一苦労ですから、そういうことを考える人は、別の素材の方が良いかもしれません。
そういう意味では、「選択」は難しいものです。

重ねて書きますが、ここに書いたことは実験による推定でも、測定を行った結果でもなく、個人的な経験に基づく妄想によるものですから、本当かどうかは私にも分かりません。当然、ここに書いてあることを鵜呑みにして恥をかいたり、損害を被ったりしても責任は取れません。あくまで自己責任です。
ただ、一方的な見方ではなく、ステンレスの特性を考えた上で、選択肢を広げる一つの考えにはなると思います。

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