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2014年8月22日 (金)

「VSルパン(さいとうちほ/小学館)」1巻

写真を撮りたいのだが、ヒマがない。仕事も今週はレポート漬けでカメラに触ってない。

「VSルパン(さいとうちほ/小学館)」1巻発売中です。
こないだ名前だけ出しましたが。アルセーヌ・ルパンを題材にしたコミカライズです。もう4か月も前の発売になりますね。原作に近い話ですが、ルパンマニアは「アバンチュリエ」に注目が行っているため、こちらはあんまり話題に上がりませんな。タイトルにルパンって入っているのに。
さて、タイトルにルパンが入っているのに、ルブランの名前が見あたりません。それが気になって探しまくったら、扉の所にちっちゃく「原案/モーリスルブラン」と書いてありました。……まー、確かにアレンジ入ってますが、ここまで原作のストーリーを拾っておいて、原案のひと言ですませてしまうっていうのはなぁ。いくら、現在は著作権が切れているとはいえ、原作者に対するリスペクトというか、尊敬の視点がないと、それだけでないように関わらず「この人、本当にルパンが好きなの?」と思ってしまうわけで。そういう意味で、内容以前に、ルブランの原作ファンとしてこの本の「体裁」が気にくわない、というのがあります。
アバンチュリエが原作の解題みたいなレベルで解釈を楽しんでいるのに比べると、少女漫画的なアレンジが面白いだけに、実に残念です。

さて、内容は「プリンセスの結婚」「伯爵夫人の黒真珠」「王妃の首飾り」ということで。1話目こそマイナーな原作ですが、2話はメジャー作品。3話はルパンの少年時代を描く定番作品ということで。ストーリー自体は、ほぼ原作準拠です(でも原案扱い……)。
ただ、ルパンの名前を「ならず者=アルスイユ=アルセーヌ」「狼の名を冠する荒野の花=ルビナス=ルパン」からとったという新説をぶち上げて、狼をイメージにしている点が、この作品の「少女漫画的オリジナル要素」です。父親の名がテオファリスト・ルパンであるという事実は、ガン無視です(笑)。父親の職業は本来サバットの教師で、日本語訳は通常ボクシングになっているのですが、フェンシングにしている点も珍しい。確かに、調べると本来のサバットには棒術要素も含まれるらしいですが。現在はボクシング的な打撃系の技がスポーツとして行われているようです。
あと、ルパンがシルクハット、タキシード、マントという原作ではほとんどお目にかかれない衣装を着ているあたりも、宝塚的要素を好むさいとうさんの作品らしいです。
ちなみに、私がこの作品の改変点で一番気に入っているのは、ガニマールがスキンヘッドのイケメンオヤジになっているところです。アバンチュリエでは、いつも泣きそうで、なんかかわいそうになってくるので(いや、実際原作を読んでいると可哀想になってくるのだが)、このくらいヤクザっぽい方が敵役としてはいい感じです。

ということで、作品を読む前に腹を立てて読むのを辞めたため、長いこと積んであったという、私にしては珍しい作品ですが。原作の「わりと悪ガキっぽい」ルパンではなく、日本人の持っている「怪盗紳士」というイメージを突き詰めたルパン(ある意味、ポプラ社の南洋一郎版に近いかもしれない)として見ると、面白いのではないかと思います。

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コメント

夜分遅くに失礼します。とあるマンガ喫茶より。<アルスイユ>の件ですが「アルスイユ ルパン」で、検索を。ちゃんと詳しく解説されているページを見つけられると思いますよ。また、仏語辞書の中にはlupinを引くとルピナスと書いてあるものもあります。新設ではないかもしれませんよ

ようこそ。
「戯曲アルセーヌ・ルパン」は所有しておりますので「一幕もの ルパンの冒険」の中で「アルスイユ」という言葉が使われていることは解説に書かれておりますので承知しております。
ルピナスについては、フランス語についてうといので、ルパン自体がフランス語にすると花の名前になるというのはこの作品で初めて知りました。
また、ルピナスの花自体は知っていても、その意味についてはWikipediaで確認した程度の知識です。花自体のイメージと結構異なるので、驚きました。
ちなみに、作中ではじめてルパンが名前を名乗ったのは「アンベール夫人の金庫」で、その時には名前の由来は明されませんでしたが。現在では、戸籍上の名前がアルセーヌ・ラウル・ルパンというのが定説となっており、父親の死後、母親の性に変わってラウル・ダンドレジーと名乗っていた、ということになっております。そのため、この名前自体が本名ということになっています。
メタな話をすれば、ルブランがフランスの市議会議員「アルセーヌ・ロパン」の名前をそのまま使っていましたが、抗議が来たので「アルセーヌ・ルパン」に変更した、というのが名前の真相なので。ルブランにそういったロマンチックな意図はなかったようで。
それゆえに、新説ではないかもしれませんが、さいとうちほさんの解釈は、よく調べられていて、かつ、実に少女漫画的な浪漫溢れるものかと思われますです。

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