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2014年10月25日 (土)

「指導者への道(モンゴメリー元帥/講談社)」

20年以上連れ添った銀行のカードが割れてしまった。さすがに寿命か。

スイフト、1年点検。とうとう、傷修理終わらずであるが、色合わせはなんとかなった。ディラーの人にもオッケー貰えたわ(笑)。
結局、昨日の時点でもう一歩だったため、1000番で水伽して全体を傷によって下地が見えなく(隠蔽力というより、というより光の散乱だな)した後にスプレー吹いたら、なんとかなった。正解は隠蔽力の高いソリッドの赤を入れてからパール塗装だろう。フラットの艦底色とかなら完璧と思われるが、今度は色が沈むかナー。

「指導者への道(モンゴメリー元帥/講談社)」を読む。
というか、ようやく読み終わった。作者名はマジでこう書いてある。一般的には「バーナード・ロー・モントゴメリー」だろうし、「アラメインのモンゴメリー」という訳は「アラメイン子爵モントゴメリー」であるべきかと思う。発音的には「モン・ゴメリ」の方が近いのかもしれないが、日本の軍事用語としては「モントゴメリー」である。「モンゴメリー」はフランス読みという説もあるが、「赤毛のアン」でおなじみカナダの作家は「モンゴメリー」と訳される。日本語の不思議(笑)。
それはともかく。この本は、モントゴメリーがNATOの副司令官を引退して、第一線を退いたあとに書かれたリーダーシップ論である。大きく分けて二つの事柄で成り立っており。一つは「実際にリーダーとして活躍した政治家、軍人に関する記述」、もう一つは「若者に対する教育」である。そして、そこから、求められるリーダー像を探ろう、ということである。むろん、視点は軍人としてのものであるが、NATO時代に政治的駆け引きに苦労したようで、民主主義的な一般の物事と軍隊での事はわりと分けて書かれている。
内容的には、日本人にも共感出来るというか、そもそも訳者の山崎高司氏(元大蔵官僚でイギリス留学経験者)が、原書に惚れ込んでモントゴメリーに直接翻訳を申し入れたというのだから、軍オタ御用達とか、そういう内容でない事はわかると思う。もっとも、出版された時代(1972年だ)において中国の台頭を予想しながらも毛沢東を信頼しすぎていたり(原書は文化大革命より前である)、現在の目で読んでいて辛い部分もありますが。
これらはモンティの基本的なスタンスから来るもので。「親しい人や政治家に対する信頼」が強く、人を見る目があるように自分では思っているようだが、現状から見ると真面目さ故にダマされているんじゃないかと思ってしまったり。軍学校のトップにいた経験からか、「軍隊に於いてトップは、細々したことを心配するよりも、前線の兵士の信頼を得て士気を高めることをすべき」ということをしきりに言っており、これがおそらく英国での評価と米国での評価の乖離に繋がっているのではないかと思う。自国の兵士には人気があるのである。

まー、実際に人物評などを見ても。ネール首相やフルチショフ(逆にスターリンを嫌っている)が高評価なのはわかりますが。ドゴールについては大戦中の行動と、その後の政権樹立の過程から、私は個人的にあまりいいイメージを持っていませんし(この辺りは、大戦中につき合いのあったモンティの方が正しいのかもしれませんが)。毛沢東については、その後の歩みがねー。モンティが中国の台頭を予想しつつも台湾を軽視していたり、蒋介石について全く語っていなかったりするのが、単に彼との繋がりが薄かったためのように見えるし。そもそも、アジアに対する関心の薄さから、中国がアジアを支配する事を良しとしているように感じられたりもする。日本に対する記述が殆ど無いことも、自分に関係していなかったからだろう。日本が英国と同盟国であった事も忘れているし、第二次世界大戦で戦った事も、どこか他人事である。彼が来日して日本を見、日本の首脳部と会談していたら、本書の中味も全く異なっていたかも知れないと思うと。やはり、偏っているナー、と思わずにいられない。アイクは好きだけど、アメリカは嫌い、というのが端々に見られるし、おそらく、NATOでアメリカと意見が合わなかったのだろう。だから、占領下の日本でマッカーサーが大人気とか思いもつかなかったであろうし、それ故に占領政策に関する話題が大英帝国的な見方に捕らわれているのが鼻につくのも確かである。自分とこといっしょにするなよ、と。
でも、当時の大蔵官僚が惚れ込む内容なんダヨなぁ。

ただ、政治はともかく、軍人として、教育者としてリーダーシップを語っている部分に関しては、共感出来る面が多いと思う。そういう部分で、モンティを評価しているのだが、日本では、なかなかアメリカ人のモンティ嫌いから来ている評価を覆せないのだをナー。

「総司令官は、よい参謀を持ち、調整役のすばらしい参謀長を持たなければならない。そして、兵士たちを知り、兵士たちに顔を覚えられなければならない」「近代の総司令官は、戦争に対して人間性の面から取り組む事ができるのでなければ、決して成功しないであろう。彼は人間性の探求者でなければならない。戦争の勝利の鍵は、主に人の心にあるのである。そして、人を扱う際は、公正こそ必須であるということを深く悟らなければならない」
現在、Wikipediaなどでも、モントゴメリーは差別主義者である、ということが大きく採り上げられていますが。実際に彼が戦場を指揮していたときには、これらの軍人としての信条から、差別的なことはなく。北アフリカ戦線で英軍の大半を支えていたコモンウェルズの兵士たち、インドやニュージーランドの兵士たちにどうこうしたという記録も、私は読んだ事がありません。その、深いところの考えはともかく、少なくとも司令官としての彼は、前線を維持するためには十分な補給だけではなく、兵の鍛錬と士気の向上が必須である事を知っていたし、実際にそうなるようにしていたと思います。まー、その代わり、彼の下で働いた参謀や将校達は大変だったと思いますが(笑)。

ともあれ、モンティを語るなら、自伝よりもこっちのほうが、彼の人となりを理解するのによい本かと思います。ゆめゆめ、知らずに批判される事のないよう。

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