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2015年1月11日 (日)

手塚治虫について考えた

明日は仕事。めんどい。

今、自分でプチ手塚ブーム。自分の子供の頃は手塚アニメが全盛期だったものの、漫画の方は既に下降していて、漫画を読むようになった頃には完全にメジャー路線から外れていたというか。小学館の学習雑誌で子供向けのものを読んだことはあっても、週刊の少年誌では読んだことがなく。それ故、サークルの先輩に手塚治虫の凄さを説かれても、頭ではわかっても実感は出来ませんでした。
おそらく、雑誌で読んだ手塚治虫としては月刊少年ジャンプに読み切り掲載された「グロテスクへの招待」くらいですが、これもネタはさほどグロというわけではありませんが、とんでもなく後味の悪い話で、ある意味トラウマですわ。
また、他の作品を単行本で読んでも、その全体的な暗さというか、全体に流れるペシミズムが好みに合わず、子供向けに調整されたアニメ版はともかく、漫画については意識して読まなかった気がします。
で、なんか色々調べていたときに、24時間テレビのアニメからマリンエクスプレス→ブラック・ジャックとか、プライムローズとか概要を読んでいると、謎の部分があったり。
例えば。手元の手塚先生がなくなった頃の特集雑誌を読んでいても、プライムローズなんて「手塚治虫がロリコンブームを意識して書いて滑った作品」という見方しかされていない。しかし、個人的に手塚治虫のキャラクターは絵的にはカワイイと思う。80年代の漫画と比較すると確かに絵的な古さというのはあるけど、その80年代漫画が古くさくなってしまった今の目で見ると、主線が太いことを除けばさほどどういうことはないし。逆に、やはり日本の漫画作品の丸っこい絵自体が手塚治虫の影響を受けているから、「絵的」という部分は、それほど問題ではないかと思う。ただ、感性の部分におかしいところが見える。例に出したプライムローズにしても、ヒロインのエミヤはデザイン的にはカワイイと思うけど、あの服装はダメだろ、とか(笑)。何十年前のアメリカスペオペかよ、とか(そういえば、ドン・ドラキュラのSF研の描写の古さも悲しくなるレベルだった……アレがチョコラのかわいさをかなりの部分でスポイルしていると思う)。無理にウケを狙いに行かない方が良かったという好例であるのではないか。
つまるところ、SF描写的な部分は面白くても、日常描写というか、読者に親近感を持たせる描写が出来ていないのが80年代手塚「少年向け」作品の問題点ではないかと。
だから。より、日常的な描写が多いピノコなんかの方が人気が高い。リアルに考えると、結構コワイ設定というか、どんな感じの人間なのかわからないし(沙耶の唄の設定を聞いたときに最初に思い浮かべたのはピノコさんだわ)。
あとは、やはり、作品自体の悲劇性で。ストーリーの手管として安易に悲劇的な方向に持って行きすぎる。キャラクターを記号であるとし、スターシステムの弊害として死ぬことを単なる「舞台からの退場」と思っているのか。ともかく、主役だろうがヒロインだろうが殺しまくる。確かに、悲劇的な作品は心に残りやすいが、何度も読み返したくなる好きな漫画というよりも、トラウマ作品だろう。そんな漫画ばかりなのに、手塚治虫がヒューマニズム作家として語られるのとか、正直おかしいというか、マスコミによる虚像だと思う。ジャングル大帝のラストを読んでも「子供に読ませたい名作」なんて言えるのかと。そもそも、初期の名作と言われるロストワールドで、ヒロインの一人が食べられるというところからして……。
ロリコンものというのなら、作者が狙ったプライムローズよりも、低俗天使のように「カワイイ幼女が全裸(+長靴)」という、今となってはオソロシイ作品もあるのだが。ラストが陰鬱すぎて、表に出て来ない。作品がハッピーエンドで終わっていればもっと話題になる作品かと思っている(もっとも、最近の受ける作品傾向からすると、時代が追いついたのかもしれないが)。アラバスターなんかも、そうかも。
というように、リアルタイムで手塚治虫の全盛期を感じていた人達は手塚治虫の古さが、その後の停滞を招いたと言っているけれども。逆に、無理に時代に合わせようとしてとんちんかんなことになっていたというのが正解で。作品としての骨子を持っていたブラック・ジャックのように、時代よりも自分にあった作品を描いていればもっと違った評価になったかと。変更するなら、その悲劇でしか終わらせられない(ことが多い)作風ではないかと思うのだが。大先生にそんな物言いをする人が居るわけもないしなぁ。あと、昔のインタビューなんかを読んでいても、手塚先生自身が「売れる大衆漫画」を目指していて、自分の敷いてきた線路の正しさを信じるというより、売れ線を取り入れることに躍起になっていたことが透けて見えるし。

というようなことを、ここ数日延々と考えていたのであった。まる。

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