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2015年9月 2日 (水)

「ミライザーバン(松本零士/講談社)」

えー、書かないわけにはいかないタイトルとして。
「ミライザーバン(松本零士/講談社)」を読む。
元はソノラマのサンコミックスで、入手しやすいのは講談社漫画文庫版。
ということですが。井台半は両親が実験中に爆死。助手の有紀螢が彼と共に実験を引き継ぐが。彼は、子々孫々に記憶が受け継がれるという特異体質になり、更に自分の子孫に意識を移すことにより、タイムトラベルのようなことを起こせるようになる。
ということで、バンの一族=ミライザーバンにバンが乗り移って未来社会を見ていくのですが。その能力故に宇宙人に狙われたり、いろいろ大変なことになります。一族を抹殺されそうになったり。地球人を裏切って宇宙人の側に付いたり。色々な世界を体験していきますが。

そこから先が、松本宇宙の時間の概念の説明に移行していきます。
ネタバレになりますが。



その実験のうちに、過去の記憶も持っていることに気がつき、時間が未来へ続いていくだけでなく、過去とも繋がっている=輪になっていることに気がつきます。個人的な疑問としては。そうすると、どこかで時間はユーターンして過去へ向かっていくはずですが、それはどういうことなのか。さっぱりわかりませんが。ともかく、時間は閉じた輪を描いていることが確定します。これが「一番遠い未来は、たった今過ぎ去った過去」という有名な理論になるわけです。
そして、バンと有紀螢が辿り着いた結論は、時間は輪ではなく、球体である、ということ。それにより、単なる一本の輪ではなく、少しずれた輪が無限に繋がることにより、球体になるということ。一種のパラレルワールドですが、始点と終点が1カ所に集中しているのか(北極と南極のように)、など、謎なものが結構あります。しかし、これが松本宇宙における「閉じた宇宙」の概念なのです。
ということですが。ちょっとしたことで時間軸がずれることに気づいたバンは、少しだけ過去の自分自身に憑依したときに、両親の実験を妨害して両親が死ななかった世界(今風に言えば、別の世界線)に乗り換えてしまうという。
それによって、彼はパラレルワールドを確認するものの、それにより、元の世界の有紀螢は……という、切ない話になっています。
その後、彼女はアルカディア号に乗る、という設定もあるようですが、時代的に本人なのかというと……?ですが。有紀螢自身もスゴイ設定を持っているので、いかようにも出来そうな気がします。でも、実はこのストーリー(螢とバンが別れている)だと劇中の未来に矛盾が発生したりするのが難しいところ。
あと、有紀螢の父親や二人の弟の設定からすると、どう見ても現代を舞台にしているミライザーバンと直接の同一人物とするのは難しいような気がしますか。
なー、話が逸れましたが。ともかく、全編を通して、有紀螢の実験により時間の概念を解説する、というのがこの作品のキモになるところですが。実は未来世界に海外のハードSF的な色を見るところも多く、ガジェットものとしてはかなり完成度の高い作品になっていると思います。その分、バンのキャラクターが一定しないためにキャラクターものとして漫画を見た場合には思い入れのしにくいタイプの作品かと思いますが。
ともかく、松本時空を紐解くには、この作品を一読することが必須となっているので。例え、読んでないのにここやWikipediaやその他のサイトで設定を確認していても。実際の漫画を読んで自分の目と脳みそで確認するのが良いかと思います。
まー、個人的にはやっぱり「漂流幹線000」みたいな話の方が好きなんですがね(笑)。

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