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2015年10月12日 (月)

「風立ちぬ(宮崎駿/大日本絵画)」

処分しようとしている本に未練を感じるが、部屋の惨状を考えると、まだ足らないくらいであって、どうしようもない。
同人誌も商業誌と連動しているものが多くて、ヘタに処分できないとか詰んでいる(<処分するときにはいっぺんだ)。

今週の新刊、何買ったかもう忘れたよ(健忘症)

「風立ちぬ(宮崎駿/大日本絵画)」買った。
例の映画の原作であるが、映画がドラマチックだったのに対し、こちらは特に前半は妄想技術の塊である。つまり、より、宮崎駿らしい作品になっている。逆に、映画が好きだった人には、怪しい本かもしれない。モデルグラフィックス連載だから仕方がない。
あと、本文中でも述べられているものの、イマイチ分かりにくい点として、堀越二郎の物語としては飛行機の開発に関わるところを除くとほぼ架空の話であり、ドラマ部分は堀辰雄の「風立ちぬ」「菜穂子」が元になっている。あんまりにもそれっぽくなっているので、ノンフィクションのように感じるが、インタビューを読むと分かるように、堀越氏は早くに結婚して、奥さんも健在であった。
あと、宮崎市の一連の作品と同じく、男は豚である(日本人は、割と人で描かれていることが多かったが、ここにきて豚になった)。その辺を映画の方は、本当にメロドラマにしちまったなー、という気がするけど、一般向けの映画だから仕方在るまい。堀越氏も零戦と共に伝説になっているが、この本では、インタビューの中でかなり本質に迫る部分を宮崎氏が突いているため、漫画部分だけでなく、活字部分も良く読むことをオススメする。実際、零戦以降の堀越氏の飛行機は軍部の要求との狭間で明らかにアレな作品ばかりだし、戦後は三菱の中ではイマイチ良くわからないポジションにいたし、YS-11の時のエピソードはほとんど老害だし、零戦以降の自分の設計した飛行機の自己弁護のためか他人の設計した飛行機に対してやたら辛口だし、正直、私の評価はあまり高くないのだが。その辺について、これだけの本で結構きわどく書かれているのも面白い。ただ、氏の設計として零戦がピークであるとしながら、軍の要求に翻弄されたというより「軍の要求を聞き流しながら自分の設計をした」ような評価になっているので、それじゃあ雷電とか烈風のアレな部分(そして、零戦の燃えやすいところとか)は軍の要求というより彼の思想というのだろうか?みたいな疑問は持ちましたが。

そんなわけで、内容的にはモデルグラフィックスとスケールアビエーションの記事をまとめた本になりますが、漫画やインタビューなどを総合して読み解かないと、宮崎マジックに騙される、という点では、「泥まみれの虎」のような戦記物として描かれたものに比べると、やっぱりアレな本なのかもしれない。ともかく、実在の人物の伝記として読まないように、という点に気をつけて読むと、面白い本だわなぁ。

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