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2015年12月 6日 (日)

「完全版ダイバー0(松本零士/小学館クリエイティブ)」

「完全版ダイバー0(松本零士/小学館クリエイティブ)」を読む。
ダイバー0に関しては、「松本零士 宇宙海賊キャプテンハーロック漫画特集号(秋田書店)」も持っていたので、内容は知っていましたが。これには1話が入っていないし、読み切りの「1000年女王の巻」は単行本初収録なので、読む価値はありと。ちなみに、1000年女王はプロメシュームさんたちとはまったく関係がありませんが、名前とシチュエーションの元ネタではあるようです。
さて。
地球でアンドロイドが迫害され、壊れれば月に捨てられていた時代。月で無念の元に死んでいったアンドロイドたちが作り上げた一人の少年。それがゼロであり、彼は人間達への復讐のため、地球で戦闘を繰り返すが……。
ということで、機械人間が鉄郎達にやられた後の話のような気がしますが。人間は便利に暮らすためにアンドロイドを作っておきながら、アンドロイドを忌避しているという矛盾だらけの世界。ある意味、現代の民族紛争を思わせますが、基本的にアンドロイドたちは完全な弱者であり、人間達に対して逆らったりしない、ということがあるので。現実世界の「優遇される少数」とか「差別という名を傘に逆に特権を得ようとする」ような矛盾だらけの話とも違い、完全な弱者として描かれています。そして、それと正反対の位置にゼロは立っており、彼だけが人間に対する「強者」であります。
が、最初は人間を皆殺しにしようとしていたゼロも、色々な人間と出会う事で、自分のしてきた事、しようとしている事の矛盾に気がつき、悩み始める……。
という展開ですが、当然、松本御大は完結させていないので、結論は出ていません。全ては読者に託されていますが。単純に放り投げているのではなく、どういう方向に進むべきなのか、という点は。ハーロックが劇中でゼロを導く役目をしており、その姿勢が読者への答えになっていると思われます。これ、まー、SF的な作品で良く見られる解決への道しるべですが、少なくとも、現状行き詰まって、ある程度平和に見える日本ですら、「デモという名の暴力行為」が各所で頻発している現状を見れば、思うところが結構出てくると思います。
この話のバックボーンは、ハーロックを主役に移す事で「宇宙海賊キャプテンハーロック」へと繋がっていく「承前」的なところもあり。それ故に、ゼロのその後が、「次元航海」で描かれる事になったのかと思われます。「次元航海」で突然登場した彼について、松本御大が扱いに苦慮したアンドロイドという部分を取り去って単純な「若さ」を象徴する事になった「台羽」とコンビを組むという奇跡についてより知りたいと思うなら、この本を読んでおくと、よりわかりやすいのではないかと思います。

ところで、冒頭の特集誌で第1話が入っていなかったのは、ソノラマとの契約上の問題なのか、ゼロの誕生を描く1話の内容が意外とエグイ演出だったからなのか……。

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