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2016年4月 3日 (日)

「失楽園(ミルトン/岩波書店)」(上)(下)

「失楽園(ミルトン/岩波書店)」(上)(下)を読む。
注釈を読み飛ばせば、するする読めます(笑)。というか、「ドレの失楽園」を読んで大筋を掴んでいたので、楽だったと言うべきか。こちらは、ちゃんとした訳なので、現代語訳ですが、詩編という感じになってます。
そして、「ドレ~」が「翻案」とついているだけあって、用語がかなり個性的というか厨二訳だったのに対し。こちらは、普通に聖書的な訳語になっています。よって、全能神とか地獄とか、わかりやすく、それゆえにアレな感じですが。
ということで。まー、内容的には割と同じような感じですが。やはり、用語が普通になるだけでラノベ感が大幅に減って、淡々とした感じになってます。冒頭の地獄のシーンが一番盛り上がるのも同じですが。悪魔を悪魔らしく描いているというか、比較すると「ドレ~」が如何に堕天使軍団を格好良く書いていたかがわかります。
あと、ラストの万魔殿でのサタン(=ルシファー=デビル)の帰還シーンですが、まったく別物です。ドレの挿絵が蛇やドラゴンになっていたのは原典を忠実にしたもので。実際には、ここでも「神」が絡んでいたのですが。「ドレ~」の方は全く別のシーンを入れ込んでしまっているので、これは注意ですね。どうやら、竜頭蛇尾感は原典の方が強かったというよりも、やはり「神話」としての影響が我々の考えるよりもずっと強かった、ということでしょうか。このレベルでさえ批判されていたとすると、やはり、神様について自由に作品を作れるのは日本人くらいしかいないのではないかと思いますね。

「失楽園」の内容とは直接関係ないですが、やはり、この作品からもユダヤ教が人に対してまず最初に「原罪」を設けて、その罪を償うために現世で苦労する、という「楽園を追い出されたこの世界は贖罪と苦痛に満ちている」ことを前提としているのがそもそも気になります。他の神話では見られない強い規範ですし。日本の神道が他の宗教と対立することなく溶け込んでいるのは、神様は自然と敬うものであって、道徳規範として宗教があるわけではないというところがまったく違うのかなぁ、と思ったり。仏教の方が、規範的宗教だけど、こちらは修行的な面が強くて、また別物だしねぇ。

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