ホームページ

  • 虚弱庵
無料ブログはココログ

twitter

  • twitter

« シン・ゴジラ見てきた。インプレッション。 | トップページ | 「かんなぎ(武梨えり/一迅社)」11巻 »

2016年7月30日 (土)

シン・ゴジラ。【ネタバレ】編

ここから【ネタバレ】で。


さて、今回公開されていた情報が少なく、自分も映画の特報はいろいろなところで見たけど、内容的にはほとんど知らなかったので、次に何が起こるのか全く分からない状態での視聴でしたが。基本的に、過去のオマージュはみられるものの、今回初めてゴジラ(1954)が存在しない世界、ということで、過去の作品とは全く違ったものになっている。というか、ゴジラ(1954)がパニック映画、ゴジラ(1984)がゴジラ復活のお祭り映画だったとすれば、今回はドキュメンタリー映画である。今回新たに設定されたゴジラという生物以外は、徹底してリアリティにこだわっており、政治劇がメインであるものの、それすら「ドラマ」という意味ではエンターテイメントとしての部分が非常に薄い。超兵器も出てこなければ、科学者による画期的な発明もない。ただただ、政治的に巨大生物と向き合い、自衛隊が対応する話である。
ゴジラ(1954)は戦後すぐの話であり、ゴジラは災害というより、東京大空襲をイメージするようなものであった。逆に、逃げ惑うだけの一般庶民はともかく、メインの登場人物たちは肝が据わっていた。ゴジラ(1984)でも政治的なシーンが多々あり、ゴジラの活動停止とか、核兵器の使用とかでてくるので、その対比をすると全く反対方向の作品であることがわかる。ただ、あちらでは1954ありきのさくひんなので、一応の対策があり、スーパーXとカドミウム弾が最初から存在しているという安心感があった。
今回は、初めて「政治家」が主人公であり、徹底して政府のプロセスを描くことを主題の一つとしている。主人公やそのチームに思い入れできる程度のドラマはあるが、逆に、ゴジラを見に来ているのを忘れるくらい、ゴジラが画面で暴れるシーンは少ない。政治劇がリアルに描かれているのに実に面白く、他のドラマでここまでの作品が生み出せないとしたら、日本の映画業界だせぇ、と言われても仕方がないと思う。そして、ノンポリに見える総理や政治家たちが、意外と頼りになる存在であることが面白いと思う。ゆえに、中盤で内閣中枢が全滅した時の喪失感が半端ないものになる。これが選挙前に公開されていれば、政府というものに対する信頼感が全く違ったものになっていいたと思う(特に若年層)。そして、暫定政府の総理にしても、ダメ人間に見えて、ラストで「やっぱ、政治家すごいわ」と思わせるのは、この作品のすごさだと思う。逆に、政治家にはちらっとでもいいから、こういったところを国民に見せてほしいところである。

さて、肝心のゴジラであるが。最初に上陸して見せた姿がいわゆる「ゴジラ」でなかったために、衝撃が大きかった。どっちかというと「ゲスラ」である。まんまるお目目がかわいらしく、ユーモラスである。そして、その愉快な姿が引き起こす未曽有の災害は、3.11の映像を思わせる完全にリアルなもので、驚嘆する。そして、どこでゴジラになるのかと思うと、驚異的な変態をする。完全に予想外である。
そして、第4形態が自衛隊の攻撃を全く寄せ付けないのも意外。現代の兵器は昔と比べても威力はすごいものになっているのに、全く効かない。そして、最初に吐く熱線というより、体内の熱を放出するためにゲロ吐いているような姿は痛ましく、恐ろしい。まー、そのあと背中からも熱線を出すのは生物というより総監督の大好きなイデオンにしか見えませんが(笑)。ここが唯一の笑いどころかと。しかし、あたりを火の海に変えるゴジラの描写の恐ろしさというのを、今回ほど感じたことはありませんでした。パンフに見開きで載せているだけのことはあります。東京大空襲とかの絶望感は、こんな感じだったのか、というのを初めて肌で感じたような気がします。これは、下にいる市民目線ではなく、もっと引いたところから見た恐怖ということで、逆に従来の怪獣映画、戦争映画との差別化があったように感じました。
ヤシオリ作戦については、この作品内での最もエンターテイメントらしいシーンということで、盛り上がりもすごかったですし、言うことはないです。在来線が跳ね上がるシーンは、おそらくジオラマとして模型誌を飾りそうです。活躍する建機がバラバラなのは模型を発売して一儲けするには不利ですが、アオシマさんはやってくれそうな気がします。

こうしてみると、1984ではすでにゴジラがいることが知られていたので、シナリオ通りに迎撃作戦が行われ、核兵器も原発もゴジラが設定として取り込んでしまったので、逆に危機感がないお祭りエンターテイメントになっていたことがわかる。そして、今回の特に中盤までは政治劇であり、ドキュメントである。映画的なエンターテイメントは「ゴジラ」というただ1点のみに絞られ、視聴者をここで笑わせてやろう、とかいう演出は一切なかった。それが映画として正しいのかどうかはわからない。見終わっても、ドラマが少ないから、単純に思い入れがある面白さみたいなものはない。どちらかというとガメラ2に近いけど、あちらは、それでもドラマを入れていた。そういう意味では、本当に「ドキュメンタリーのような映画」だと思うけど、それだけに、感想は「すごい」としか言いようがないのかもしれない。

最後に映し出されたゴジラの表皮に、進化している→新たに生まれていると思われる小さな腕や口が無数に生えているのは本当に嫌悪感があった。日本は、また、新たなる怪獣を生み出したようである。

« シン・ゴジラ見てきた。インプレッション。 | トップページ | 「かんなぎ(武梨えり/一迅社)」11巻 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/586276/63987898

この記事へのトラックバック一覧です: シン・ゴジラ。【ネタバレ】編:

« シン・ゴジラ見てきた。インプレッション。 | トップページ | 「かんなぎ(武梨えり/一迅社)」11巻 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31