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2017年6月 9日 (金)

「裸者と裸者 孤児部隊の世界永久戦争(七竈アンノ/少年画報社)」「裸者と裸者 邪悪な許しがたい異端の(七竈アンノ/少年画報社)」を読む。

「裸者と裸者 孤児部隊の世界永久戦争(七竈アンノ/少年画報社)」「裸者と裸者 邪悪な許しがたい異端の(七竈アンノ/少年画報社)」を読む。
というか、読み終わってすぐ書き始めたんだけど、内容がまとまらなくて置いてあった。
元は打海文三氏の小説で、3部作のうち、第1部の上巻が「裸者と裸者 孤児部隊の世界永久戦争」下巻が「「裸者と裸者 邪悪な許しがたい異端の」にあたります。
内容は、応化と呼ばれる年号の日本。共産圏の崩壊と共になだれ込んできた移民によって急速に治安が悪化した日本。軍事クーデターにより国内が内戦状態になり、暴力の支配する混沌とした状況になっていた。そんな中で、使い捨てにされる政府軍(常陸軍)の孤児部隊で分隊長をする佐々木海人が、同じく排斥されている外人部隊やロシアマフィアとつるみながら、未来をつかみ取るために戦っていく話です。
ちなみに下巻の方は、主人公が海人の友人の月田姉妹になり、女だけの戦闘集団パンプキンガールズを立ち上げて戦争に挑む話になっています。
というわけですが。世紀末状態で軍隊による略奪や暴行が日常茶飯事になっている世界。主人公も幼い頃に母親をさらわれ、自身は武装グループに拉致されて少年兵として活動していた経歴有り。現在は正式に徴兵(とはいえ、対外的には未成年の徴兵は秘密らしい)され、妹と弟を学校に通わせるために戦う日々。
しかも、孤児部隊は捨て駒として扱われていたものの。常に前向きに生きる海人の物語は全体が陰惨になるのをギリギリの所で防ぎ、実際に仲間達やまわりの人間を護ることが出来ています。
とはいえ、彼も単なる正義の味方ではなく。作中でも述べられていますが、強姦はダメでもドラッグの流通には目をつぶる。そういった自分の周りから外れたところに関しては妥協することもアリ。
そして、パンプキンガールズに至っては、ジェンダーの開放とかそういった思想的なものが「外国人排斥」を狙う宗教と対立するという思想的な面もクローズアップされますが。実情はマフィアであり、テロリストでしかないわけで、それが海人との縁で繋がっていくわけで、そのあたりのストーリーの面白さは格別です。
というわけで、世界観はクソッタレでもキャラクターの生きの良さと面白さは格別でした。なかなか、こういったシリアスにすさんだ作品の感想は書きにくいですが。キャラクターの魅力だけでも十分に楽しめます。前半が男の子作品で、後半が女の子作品というのも面白いかと思います。
そうなってくると、小説で続きを読もうかどうしようかしばらく葛藤していました。漫画版だけでも、東京を政治的に掌握するまでの切りのいいところで終わっていて。そのあとは、以西の勢力と戦って、第三部の後半では戦後編になるようですが。ラスト200頁ほどが作者急逝のため未完になっていること、そして、原作では漫画版以上に死ぬキャラクターがいることを考えると、(漫画版独自のアレンジも多々あるらしいので)ここで止めるのもアリカと。実際漫画版の最終話も原作通りらしいですが、凄い衝撃を受けましたし(原作と違うものとして1話手前で止めるのもアリだったかと思いますが、それでは物語が変わってしまうんでしょうねぇ)。続きが七竈アンノ氏の絵で見られるというのなら、また別なんですが。
そういえば、七竈アンノ氏の絵は、この頃まではどちらかというと太めの線で、勢いのある活発な感じでしたが。この後、徐々に線が細く、緻密な感じになってきて(動きのある描写は相変わらず)。最新作の「アイゼンフリューゲル」では耽美的(というよりミュシャ的?……美術関係は良くわからんので話半分に)な感じになっていますね。まぁ、同人誌時代も少し読みましたが、その頃は、よりアーティスティックでしたが。

ちなみに、これを読んでいて、筒井康隆氏の東海道戦争を思い出しました。戦後新世代の自衛隊の内乱と戦争を描いた小品ですが、その徹底したコメディぶりが、皮肉にもシリアスに描く戦争の裏側に透けて見えるような気がするのは気のせいでしょうか。

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